政府の情報収集衛星・光学5号機を搭載したH2Aロケット28号機が26日午前10時21分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。衛星は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。高精細の撮影が可能な新機種で、正常に機能すれば北朝鮮の軍事施設などの監視能力が大きく向上する。
光学5号機は設計上の寿命を迎えた3号機の後継機。識別可能な物体の大きさは約30センチとみられ、約1メートルの1号機と比べ解像度は3倍、約60センチとされる3号機の倍に高性能化した。
一般に約30センチの解像度は地上の車の種類が判別できるレベルとされ、安全保障への貢献が期待される。開発費は324億円、打ち上げ費用は106億円。
情報収集衛星は現在、日中の晴天時に撮影する光学衛星と、夜間や曇りでも撮影可能なレーダー衛星の各2基が稼働中で、地上のどこでも1日1回撮影できる本格運用が行われている。