逆ネット

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逆ネット(ぎゃくネット)とは、通常キー局から系列各局に番組が供給されるのとは逆に、準キー局やそれ以外の系列局からキー局を含む系列各局に番組を供給することである。[1]

特徴

ローカル番組の制作を中心とする各地方の系列局が全国向け番組を制作する絶好の機会である。

  • 土曜朝8時 - 9時30分の時間帯では在阪4局のワイドショーが長年しのぎを削っており(MBS関西テレビなど)、平日午後1時30分枠でも東海テレビ制作昼ドラマ、TBS系列のひるドラ(MBSとCBCで交互に制作。2009年3月で終了)といった2つの昼ドラマ枠が視聴率争いを展開している。

また、各地の地方局が単発特別番組を全国ネット向けに制作して放送することがある。これは年数本程度が多い(週末の午後の時間帯や祝日など)。

東京進出や全国ネットに昇格しても、地元での人気ほど関東地区で人気が上がらず失敗するケースも多い。

  • なるトモ!」(読売テレビ制作)が東京進出を果たしたもののなじみが薄く東京での放送が打ち切りになったり、「クイズ仕事人」(ABCテレビ制作)は関西ローカルの深夜枠から全国ネットになり関西地区では高視聴率をあげたものの、全国では人気が上がらず打ち切りとなった例がある。

ラジオの逆ネット

AMラジオのネットワークはAMの場合JRNTBSラジオ)とNRN文化放送ニッポン放送)の二つが存在するが、地域によっては両方のクロスネットに属する局もある。
関西地区の場合はABCラジオMBSラジオのそれぞれがJRN・NRN両方をネットしているが、テレビネットワーク(ABC=ANN、MBS=JNN)の関係でMBS→JRN、ABC→NRNとなるケースが多い。また、CBCラジオなど形式上はJRN単独でも、関東地区への逆ネットはNRN(文化放送かニッポン放送)になる例もある。

FMラジオの場合、TOKYO FMをキー局とするJFNfm osakaFM AICHIK-MIX(静岡)が制作する番組をTOKYO FMで放送したことがあった。

近年の傾向、その他

傾向

近年、ゴールデンタイムにおける逆ネット枠が次々と姿を消して行く傾向が見られる。特に1990年代以降では、長きにわたり関西地区3局(ytv、MBS、ABC)でしのぎを削っていた日曜夜7時~7時30分枠がそろって姿を消したほか、TBS系列木曜夜8時枠(MBS[2])、TBS系列金曜夜7時枠(MBS→CBC[3])、日本テレビ系列土曜夜10時枠(ytv→1994年より日テレ。現在の嵐にしやがれ枠)、テレビ朝日系列木曜夜7時・7時30分枠(ABCテレビ制作のアニメ枠→1996年10月より1時間統一でテレ朝。現在の「いきなり!黄金伝説。」枠)などが系列局制作枠を在京キー局に明け渡した。これらは全て視聴率低迷やスポンサーセールスの減収、局の意向などによるものであるが、2007年に入ると次のケースが出てきた。関西テレビ制作の「発掘!あるある大事典II」におけるデータ捏造問題により、同番組が打ち切りとなったほか、時代劇以来40年余りにわたり同局で制作してきた(『名人劇場』より花王提供枠だった)フジテレビ系列の日曜夜9時枠がFNSに返上され、2007年4月の改編でフジテレビ制作枠に変更となった([4])。なお、2008年には日本テレビ系列の月曜夜9時枠がytvから日テレへ移行した。さらに、2010年にはTBS系列の土曜22時枠から火曜23時30分枠まで35年間、昼の『妻そして女シリーズ』以来35年間続いた枠がMBSからTBSへ移行した。

また、全般的に在京キー局各局は地方局制作の深夜番組の逆ネットに対しては消極的な姿勢が見られ、その影響で準キー局制作のUHFアニメ(地方局との共同制作番組含む)などが関西・中京地区などでは各系列局放映にも関わらず、関東地区では独立U局へのネットになる例が多く見られる(編成および権利上の関係などにより、関東地区で視聴出来ない番組も多数ある)。また、一部の番組を除いてBSデジタル局での放映も原則として行っていない。

その一方で、近年の放送業界全体の減収傾向を受け、効率化の観点から在阪局の既存番組をネットするケースも若干見られるようになり、「情報ライブ ミヤネ屋」(ytv)や「ちちんぷいぷい」(毎日放送)がこれにあたる。一方でその在阪局も効率化の観点から、自社の情報番組を在京局からのネット受けに切り替える傾向が見られる。

画質について

逆ネット番組の場合、制作局(系列局)から、NTTマイクロ回線を通じて全国に向けて配信されるため、該当番組の同時ネット放送時間は、在京キー局などにおいて画質が多少劣化する場合がある。

備考

  1. ^ 文化放送ビジネスサポートサイト・ラジオ業界用語集
  2. ^ 1999年4月より、夜7時枠がローカルセールス枠(「学校へ行こう!」(→火曜夜8時、その後学校へ行こう!MAXとなり2008年9月に終了)と交換)、8時枠が「うたばん」(火曜夜9時より移行)の時間枠となった。
  3. ^ 2006年11月より「ランキンの楽園」(MBS制作、2008年9月終了)で枠復活(ただし形式上は水曜日7時枠より移行)。2008年10月から2009年3月までは「チェック!ザ・No.1」(MBS制作)が放送されていた。
  4. ^ その後「メントレG」(TOKIO出演、三菱電機ほか複数社提供、2008年9月終了)→「エチカの鏡〜ココロにキクテレビ〜」(タモリ司会、2008年10月~)をこの時間枠で放送。

関連項目