敷島製パン
敷島製パン株式会社(しきしませいパン、英: Pasco Shikishima Corporation[3])は、愛知県名古屋市東区に本社を置く製パン会社。日本国内製パン業界第2位のシェアを誇る。
敷島製パン本社(テクノコア) | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
略称 | シキシマ、パスコ |
本社所在地 |
日本 〒461-8721 愛知県名古屋市東区白壁5-3[1] |
設立 |
1919年(大正8年) (1920年(大正9年)6月創業)[1][2] |
業種 | 食料品 |
法人番号 | 1180001016877 |
事業内容 | パン、和洋菓子の製造、販売[1] |
代表者 | 代表取締役社長 盛田淳夫[1] |
資本金 | 17億9,953万3,200円(2012年8月31日現在) |
売上高 | 1,701億1,100万円(2014年8月期)[1] |
総資産 | 1.045億5,000万円(2012年8月31日現在) |
従業員数 | 3907名(2014年8月31日現在)[1] |
決算期 | 8月 |
主要子会社 |
株式会社四国シキシマパン 株式会社信州シキシマ 株式会社レアールパスコベーカリーズ |
関係する人物 | 盛田善平(創業者) |
外部リンク | http://www.pasconet.co.jp/ |
概要
「Pasco(パスコ)」(Pan Shikishima Company)のブランド名で知られる。かつては「Pasco」ブランドの使用は東日本地区のみで、西日本地区および静岡県・長野県では旧来の「シキシマ」ブランド[4]を使用していたが、2003年(平成15年)に「Pasco」へ統一している。これらは第二の創業と位置付けている。コーポレートカラーもグリーンに統一した。航空測量大手のパスコとは無関係。発祥は製粉所で、第一次世界大戦のドイツ捕虜収容所(名古屋俘虜収容所)の捕虜(ドイツ兵)の指導をきっかけにパンづくりに取り組み、第一次世界大戦終結後、敷島製パンが発足する際に元捕虜のハインリヒ・フロインドリーブを技師長として招聘するなど、ドイツ流製法から発展している[5]。
食パンで大きなシェアを持ち、1998年(平成10年)関西地方限定で発売した「超熟食パン」がヒット商品となり、全国発売として以来、食パンのトップブランドとなった。これは従来から効果が知られていたが量産化が難しく使われることが無かった湯種製法を用いており、この量産化製法特許を持つことで他社に先駆けて製品化することが出来た(2000年(平成12年)に奥本製粉が奥本式湯種の特許を取得した事によって、独占は崩れた)。
売上構成はパン類(菓子パン含む)76%、菓子類13%、その他11%となっている(2005年(平成17年)8月現在)。子会社のレアールパスコベーカリーズがフランスの有名高級ベーカリーカフェ「PAUL」ブランドで日本国内20店を展開している(2014年(平成26年)1月現在)。またフォションブランドもレアールパスコベーカリーズが日本国内24店舗を展開している(2014年(平成26年)1月現在)。
創業にはミツカンも出資したが、盛田家の同族企業である。ソニー創業者の盛田昭夫や造り酒屋の盛田株式会社で有名な盛田家の分家筋の盛田善平が創業家にあたる。現在の代表取締役社長である盛田淳夫は、創業者・盛田善平の曾孫であり、また、安倍晋三首相とは成蹊大学アーチェリー部の同窓である[6]。
社名・ブランド名
社名の「敷島」は善平が尊敬していた本居宣長の和歌「敷島の大和心を人とはば朝日に匂う山桜花」から採られた。[7]「Pasco」は前述の通り「Pan Shikishima Company」の頭文字を取ったものだが、これは東京進出に際して当時の社長が懇意にしていた女優・ミヤコ蝶々から「東京でモノを売るには名前次第」というアドバイスを受けて考案したものであった[8]。
主な工場
関連会社・団体
- 株式会社四国シキシマパン
- 株式会社信州シキシマ
- 株式会社レアールパスコベーカリーズ
- 株式会社ジャパンフレッシュ
- 株式会社クチーナ
- 愛知ミタカ運輸株式会社
- パスコ・ロジスティクス株式会社
- 第一食品株式会社
- Pasco Corporation of America
- Panash Limited(香港)
- シキシマ学術・文化振興財団
- 株式会社パスコ・エクスプレス
- 岩島成專業烘焙公司(台湾)
- 上海頂盛食品工業公司
主な製品
- なごやん
- 「超熟」シリーズ
- メロン饅頭
- 「十勝バター」シリーズ
- イングリッシュマフィン
- 「ロングライフ」シリーズ
- 「麦のめぐみ」シリーズ
- 「サンドロール」シリーズ
- 「マイベーグル」シリーズ
- 「ゆめちから入り塩バターパン」
- 「ゆめちからブランロール」
その他
- 本社ビルはテクノコアという名称である。
- 北海道および九州地方では販売拠点がないため、ごく一部の店舗[9]を除き、原則として販売されていない(理由は不明。ただし全国ネットのテレビ番組ではそれらの地域でもCMが放送されることがあるが、「一部の地域では発売されておりません」や、「商品はPascoの直販サイトでも買えます」のお断りテロップが表示される)。
- 東北地方では製造・販売拠点がない為、白石食品工業に生産・販売を委託している。
- 沖縄県では、オキコにライセンス生産・販売を委託している。
- 子会社のレアールパスコベーカリーズは、九州地方にも展開している。
- バンダイから発売される食玩としてのパン(「たまごっち」「SDウルトラシリーズ」)も手がけている。
- 2006年(平成18年)に、愛知県から「愛知ブランド認定企業」とされた。
- 「超熟」の開発から販売までを綴った書籍『超熟ヒットの理由 「食パン」から学ぶブランドNo.1物語』(品川雅彦著、幻冬舎)が発刊されている。
- 2008年(平成20年)に、17年振りに価格改定を実施した。
- 2010年(平成22年)までに、中国にて製造・販売事業をすると発表した。
脚注
- ^ a b c d e f “会社概要”. 敷島製パン株式会社. 2015年8月14日閲覧。
- ^ “Pascoの歩み”. 敷島製パン株式会社. 2015年8月14日閲覧。
- ^ 公式サイト下部のコピーライト表記より。
- ^ ロゴマークの総称として「桜のマークのシキシマパン」と呼ばれていたことがある。後に「Pascoシキシマ」と併記されるようになった。
- ^ 「チンタオ・ドイツ兵俘虜研究会」 メール会報 - 0370号「桜パンの話」を参照。
- ^ “成蹊人 vol.91”. 成蹊学園WEBマガジン. 2015年8月14日閲覧。
- ^ Pascoの歩み(社名・ブランドについて)
- ^ 2013年9月6日付中日新聞11面「時流の先へ ~中部財界ものがたり~」
- ^ 山口県に本拠地を持つ、スーパー「アルク」の福岡県北九州市内の2店舗で販売されているほか、福岡県内のサンクスで一部商品が販売されている。
関連項目
盛田家
- 盛田 - 愛知県常滑市の「ねのひ」ブランドの酒類、味噌、醤油の醸造元。
- ソニー創業期に資金不足になる度に、増資引受という名目で資金提供を行っていたため、以前はソニーの大株主だった。敷島製パン創業者・盛田善平はここの分家筋にあたる。
メディア
- 一社提供
- さくらんぼ教室 - 1963年(昭和38年)から1967年(昭和42年)までCBCで放送されていた、敷島製パン提供のクイズ教育番組。
- 天才クイズ - 1967年(昭和42年)から2004年(平成16年)までCBCで放送されていた、敷島製パン一社提供番組。
- Pascoブルーハーツのしおり→木根尚登えんぴつを削って - 1988年~1990年にNACK5で放送されていた夜のバラエティ番組「それ行け!HOMO LUDENS」内の一社提供コーナー。
- 複数社提供など
- ヒルナンデス! - 2013年4月より提供している日本テレビ系列のテレビ番組。13:32頃~13:35頃に提供。
- 知っとこ! - 番組スポンサーについている毎日放送制作・TBS系列のテレビ番組(現在は降板)。
- メレンゲの気持ち - 番組スポンサーについている日本テレビ系列のテレビ番組(※一部地域ではノンスポンサー)。
- 東京箱根間往復大学駅伝競走 - 通称「箱根駅伝」。当社は協賛企業である。また日本テレビ系列での中継番組のスポンサーでもあるが、販売地域外の局ではACジャパンに差し替えられていた。2010年(平成22年)の第86回大会以降はスポンサーにならず、2016年(平成28年)の第92回大会ではスポンサーに復帰。BS日テレで当日夜に放送されるダイジェストでもスポンサーにつかないが、現在でも箱根駅伝を応援していて、暮れ頃に製造販売される食パン等の製品には必ず広告ステッカーが貼り付けられている。
- 犬山国際友好シティマラソン - 愛知県犬山市で行われるマラソン大会。当社は協賛企業であり、これは犬山工場があることが関係している。参加者への景品として、パンを提供している。
- 2011年より名古屋ウィメンズマラソンの協賛企業についている。
- イメージキャラクター