福田洋 (作家)
福田 洋(ふくだ ひろし、1929年(昭和4年)8月1日 - )は日本の推理作家、ノンフィクション作家。別名義に桜田 忍(さくらだ しのぶ)[1]。
福田 洋 (ふくだ ひろし) | |
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ペンネーム | 桜田 忍 |
誕生 |
福田 洋 1929年8月1日(95歳) 大分県 |
職業 | 小説家 |
言語 | 日本語 |
最終学歴 | 大分経済専門学校 |
活動期間 | 1971年 - |
ジャンル | 推理小説、ノンフィクション・ノベル |
主題 | 戦後日本の犯罪事件 |
代表作 | 『凶弾』 |
主な受賞歴 | 第13回オール讀物推理小説新人賞 |
デビュー作 | 『空白のダイヤル』 |
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推理小説のほか、実際の犯罪事件を題材としたノンフィクション・ノベルなどを多数執筆している。
経歴
1929年(昭和4年)8月1日、大分県に生まれる[2][3]。1950年(昭和25年)、大分経済専門学校(現・大分大学)卒業[3]。経済雑誌の出版、不動産会社、クラブなどの経営に従事したのち、40歳を過ぎてから小説の執筆を始める[4]。
1971年(昭和46年)、福田洋名義の短編『空白のダイヤル』が第2回サンデー毎日新人賞推理小説部門佳作二席となり、『小説サンデー毎日』1971年6月増刊号に掲載され作家デビュー[4][5]。
1974年(昭和49年)、桜田忍名義の『艶やかな死神』で第13回オール讀物推理小説新人賞受賞[4]。初期の作品には、「夜の110番」こと私立探偵・月野佳郎を主人公にしたシリーズなどがある[4]。
1978年(昭和53年)、福田洋名義で執筆した、瀬戸内シージャック事件を題材としたノンフィクション・ノベル『狙撃』が第24回江戸川乱歩賞最終候補作となる。翌1979年、同作を改稿の上、『凶弾』と改題し公刊。以後、同傾向のノンフィクション・ノベルや犯罪小説を多数執筆する[4]。『凶弾』以後しばらくは、推理小説は桜田忍名義、犯罪小説は福田洋名義という使い分けをしていた[6]が、のちに福田洋名義に統一している[4]。
他に、女性興信所員の夏川和香(『白い捜査線』1986年、他)や、女刑事の柏木冴子(『殺人者の資格』1986年、他)といったシリーズキャラクターによるトラベル・ミステリーも執筆している[4]。
かつては日本文藝家協会、日本推理作家協会の会員であった[3]が、2017年現在の両協会の会員名簿には掲載されていない[7][8]。
著書
- 『凶弾 瀬戸内シージャック』講談社、1979年2月
- 『凶弾 瀬戸内シージャック』講談社〈講談社文庫〉、1982年6月 ISBN 4-06-136240-2
- 題材は瀬戸内シージャック事件。第24回江戸川乱歩賞最終候補作。映画『凶弾』(1982年)の原作。
- 『強殺 連続八人殺害広域捜査105号事件』講談社、1980年5月
- 題材は古谷惣吉連続殺人事件。
- 『極刑 女流デザイナー誘拐殺人事件』講談社、1981年4月
- 題材は新潟デザイナー誘拐殺人事件。火曜サスペンス劇場でドラマ化(1982年11月23日放送)。
- 『野獣の刺青(タットゥー) 三菱銀行42時間12分の密室ドラマ!』光文社〈カッパ・ノベルス〉、1982年6月 ISBN 4-334-02472-6
- 『野獣の刺青』光文社〈光文社文庫〉、1982年
- 『三菱銀行人質強殺事件』社会思想社〈現代教養文庫〉、1996年2月 ISBN 4-390-11538-3
- 題材は三菱銀行人質事件。
- 『贋札 妄執のニセ五千円札事件』講談社、1985年7月 ISBN 4-06-202219-2
- 題材は利-18号事件。
- 『連続殺人』双葉社〈フタバノベルス〉、1986年8月 ISBN 4-575-00153-8
- 『近畿・東海連続殺人』双葉社〈双葉文庫〉、1988年8月 ISBN 4-575-50189-1
- 題材は勝田清孝事件。
- 『科学的魔女裁判』潮文社、1991年8月 ISBN 4-8063-1225-8
- 題材は千葉大チフス事件。
- 『にっぽんの仕事型録 上』小学館〈小学館文庫〉、1998年9月 ISBN 4-09-416351-4
- 『にっぽんの仕事型録 下』小学館〈小学館文庫〉、1998年10月 ISBN 4-09-416352-2
- 『20世紀にっぽん殺人事典』社会思想社、2001年8月 ISBN 4-390-50212-3
その他、100冊以上にのぼる著書がある。