トピックマップ: Topic Maps)は、情報のファインダビリティ(findability)に注目した、知識の表現と交換に関するISO標準。標準としての正式な番号は ISO/IEC 13250:2002[1]

トピックマップで情報を表す要素として、トピック(Topic、主題。人々/国/組織/ソフトウェアモジュール/個々のファイル/出来事など任意の概念を表す)、関連(Association。トピック間の関係を表す)、出現(Occurrence。トピックとそれに関わる情報リソース間の関係を表す)がある。多くの面でResource Description Frameworkセマンティックネットワーク概念地図マインドマップに似ている。利用法にも共通点が多いが、主にW3Cによってウェブ標準として標準化されるセマンティック・ウェブ関連の技術に比べ、トピックマップだけが ISO によって標準化されている[2]

トピック、関連、出現には型付けが可能だが、型はトピックマップ作成者が定義しなければならず、トピックマップのオントロジーと呼ばれる。追加機能としてマージとスコープがある。マージによって、複数のソースから一貫した新しいトピックマップを自動生成できる。

データフォーマット

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トピックマップの交換用標準形式はXMLベースであり、XML Topic Maps (XTM) と呼ばれる。また、デファクトスタンダードAPIとして Common Topic Map Application Programming Interface (TMAPI) があり、ISO内部で問い合わせ言語スキーマ言語を開発中である。

仕様の要約には以下のように記されている(試訳)。

この仕様は、トピックを定義するのに使われた情報リソースとトピック間の関連(関係)の構造を表すモデルと文法を提供する。名前、リソース、関係は、トピックと呼ばれる抽象的主体の特性と言うことができる。トピックはそのスコープ(名前やリソースやそれらの関係が特性と見なされる制限されたコンテキスト)内に特性群を持つ。この文法を使用して相互に関連付けられた文書(群)をトピックマップと呼ぶ。

Linear Topic Map notation (LTM) というフォーマットは、通常のテキストエディタでトピックマップを簡単に書くための形式である。個人的に簡単なトピックマップを書いたり、電子メールで部分的トピックマップを交換するのに便利である。このフォーマットはXTMに変換可能である。

AsTMa というフォーマットも同様の用途に使える。こちらも簡単かつ簡潔にトピックマップを書くことができ、XTMに変換可能である。また、Perlモジュール TM は AsTMa や LTM を直接扱える。

関連項目

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注釈・出典

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  1. ^ ISO/IEC 13250 Topic Maps
  2. ^ RDF Current Status - W3C W3C による RDF 関連の標準化状況一覧。このようにセマンティック・ウェブ技術の標準化自体は W3C が行っているが、ISO 15926(製造プラント用のライフサイクルデータ)のように応用に関する標準は ISO の中にも存在する。

参考文献

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  • Lutz Maicher and Jack Park: Charting the Topic Maps Research and Applications Landscape, Springer, ISBN 3-540-32527-1
  • Jack Park and Sam Hunting: XML Topic Maps: Creating and Using Topic Maps for the Web, Addison-Wesley, ISBN 0-201-74960-2

外部リンク

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