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ニュー・ウェイヴ (音楽)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ニュー・ウェイヴ
様式的起源 パンク・ロックアート・ロック実験音楽ガレージロックグラムロックワールド・ミュージックパブロックパワー・ポップモッズスカレゲエファンククラウトロック電子音楽ポップ・ミュージック[1]ディスコ[2]
文化的起源 1970年代後半
イギリスの旗 イギリス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
使用楽器 エレクトリック・ギターエレクトリックベースドラムスシンセサイザーボーカル
派生ジャンル テクノポップNeue Deutsche WelleCold wave
サブジャンル
ノー・ウェイヴポストパンクネオ・サイケデリックゴシック・ロック/ポジティブ・パンク、 インダストリアル/ノイズミュージックエレクトロ・ポップ/シンセポップニューロマンティックネオスカ/ダブエスニック/ファンカラティーナ、 ブルー・アイド・ソウルネオ・ロカビリーネオ・モッズネオ・アコースティック/ギターポップカレッジ・ロック/ジャングル・ポップ/ペイズリー・アンダーグラウンド[3]
融合ジャンル
Synthpunk2トーンエレクトロクラッシュニューレイヴ
地域的なスタイル
イギリス、 アメリカ、 アイルランド、ドイツフランス、 ベルギー、 イタリア、 スペイン、 日本
関連項目
ポストパンクオルタナティヴ・ロック
第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン
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音楽におけるニュー・ウェイヴ英語: new wave)は、1970年代後半から1980年代前半にかけて流行したロックの一ジャンルである。

概要

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ニュー・ウェイヴは、パンク・ムーブメントによってロック音楽を取り巻く状況が激変したイギリスにおいて、ポストパンク[4]ディスコワールド・ミュージック現代音楽電子音楽といったさまざまな影響によって成立した[5][6]

ただし、すべての分野における「新しい波」ではなく、1970年代後半から1980年代前半という特定の時期のロックおよび、その周辺ジャンルに限定して適用される音楽用語である[7][3]

歴史

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前期

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1970年代半ば、それまでロックとして勢いがあったハードロックプログレッシブ・ロックなどが徐々に停滞状況を迎えた。社会的には1973年に起きた石油ショックなどにより、世界的な不況に覆われていた。そうした閉塞感の中で、アンダーグラウンドな活動だったニューヨーク・パンク[8]の少し後、1976年頃に勃興したのがセックス・ピストルズダムドザ・クラッシュなどによるロンドン・パンク[9]である。パンクスの若者たちは、ザ・フーストゥージズらに在ったロック本来の初期衝動を復活させることに腐心した。が、ジョニー・ロットン1978年に「ロックは死んだ」と宣言してピストルズを脱退し、パブリック・イメージ・リミテッドを結成した[10]

New Waveという言葉は、1977年8月頃に英『Melody Maker』紙が、XTCスクイーズ[11][12]などを紹介する記事の中ではじめて使ったという[13]

1973年にロキシー・ミュージックを脱退したブライアン・イーノは翌年以降、前衛的なものやアンビエントのソロ・アルバムを発表し、1977年にはデヴィッド・ボウイの『ロウ』をプロデュースした。そのボウイはイギー・ポップのアルバムをプロデュースした[14]

アメリカでは、ニューヨークのクラブCBGBやマクシズ・カンザス・シティにて、ブロンディトーキング・ヘッズB-52'sなど、ニューウェイヴ・バンドの演奏が行われた[15][16][17]

1974年にイギリス中部の工業都市にて結成されたキャバレー・ヴォルテールは実験的エレクトロニクス・ユニットの元祖的な存在だった。彼らは、ノイズミュージック集団だったスロッビング・グリッスルらとともに、インダストリアルと呼ばれた[18]

イギリスのラジオDJ、ジョン・ピールは有望なミュージシャンを紹介し、アンダートーンズ、ザ・フォールなどを非常に熱心に応援していた[19][20]

後期

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1983年頃から人気を博したアダム&ジ・アンツデュラン・デュランヴィサージなどのグラム・ロックに影響を受けたバンドは、ニュー・ロマンティクスと呼ばれた[21]。 また彼らを筆頭にイギリス勢は、MTV文化も利用してアメリカ進出を果たし、第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンとしてヒット・チャートを賑わせた。

一方でパンクやニュー・ウェイヴは、既存の音楽産業に取り込まれて産業ロック化することを拒んでいたため、インディーズ・レーベルと呼ばれる自主制作やマイナー・レーベルが設立されていった[22]

1980年代に登場したR.E.M.U2ザ・スミスジーザス&メリーチェインもニューウェイヴに含む場合が多い[23]

日本

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日本では、LIZARDS-KENなどのアンダーグラウンドのバンドたちが1978年昭和53年)頃から東京ロッカーズとして定期的にギグを始めていた[24]

当時の日本におけるニューウェイヴの定義は、英国のパンク・ムーブメントの後に登場した、新しいスタイルのロック・ミュージックというもので、その定義は曖昧だった[3] 。 テクノ御三家(P-MODELヒカシュープラスチックス)及びYMO等の活動についてはテクノポップを参照。

1998年頃には『ネオ・ニューウェイヴ』というリバイバルムーブメントがインディーズシーンを中心に発生しており、また00年代以降も山口一郎率いるサカナクションをはじめニューウェイヴ的要素を楽曲に取り入れて活動するアーティストが複数現れる[25]など、後年のJ-POPシーンにも一定の影響を与えている。

アーティスト

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脚注

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  1. ^ Cooper,Kim, Smay, David, Bubblegum Music is the Naked Truth (2001), page 248 "Nobody took the bubblegum ethos to heart like the new wave bands"/
  2. ^ Bernard Edwards, 43, Musician In Disco Band and Pop Producer The New York Times 22 April 1996 "As disco waned in the late 70s, so did Chic's album sales. But its influence lingered on as new wave, rap and dance-pop bands found inspiration in Chic's club anthems"
  3. ^ a b c ニュー・ウェイヴのススメ 序章”. VICE JAPAN (2016年6月1日). 2018年6月3日閲覧。
  4. ^ http://www.allmusic.com/style/post-punk-ma0000004450
  5. ^ パンク死滅後、ニュー・ウェイヴで活躍した4組のアーティスト”. uDiscoverMusicJP. ユニバーサル ミュージック (2018年6月23日). 2018年7月1日閲覧。
  6. ^ 特集・現代音楽の子供たち”. 音楽ダウンロード・音楽配信サイト moraWALKMAN®公式ミュージックストア ‐. レーベルゲート. 2018年7月1日閲覧。
  7. ^ http://www.allmusic.com/style/new-wave-ma0000002750
  8. ^ http://www.allmusic.com/style/new-york-punk-ma0000012220
  9. ^ http://www.inmusicwetrust.com/articles/08f04.html
  10. ^ レイノルズ 2010, p. 22.
  11. ^ Squeeze - New Songs, Playlists & Latest News”. BBC Music. BBC. 2018年6月3日閲覧。
  12. ^ 小熊俊哉 (2010年8月23日). “SQUEEZE『Spot the Difference』(Xoxo)”. COOKIE SCENE. クッキーシーン. 2018年5月30日閲覧。
  13. ^ ピース 1989, p. 116.
  14. ^ レイノルズ 2010, p. 13.
  15. ^ Max's Kansas City 1976 / Various (1977)”. Music Is A Better Noise. Blogger (2010年7月4日). 2018年5月30日閲覧。
  16. ^ ブロンディの20曲:NYダウンタウンのサブカルチャーを反映してきた偉大なバンドの歴史”. uDiscoverMusic. ユニバーサル ミュージック (2018年1月5日). 2018年5月30日閲覧。
  17. ^ Max's Kansas City(マックス・カンザス・シティ/マクシズ/マクシス) ロック クラブ グラム パンク Tシャツ ブラック #1”. Beat Bomb. バウンストレーディング. 2018年5月30日閲覧。
  18. ^ 佐久間 1999, pp. 52–57.
  19. ^ 70'sパンクのアンダートーンズ、初の来日公演が決定!”. CDJournal ニュース. 音楽出版社 (2009年10月2日). 2018年5月30日閲覧。
  20. ^ The Fall/Your Future, Our Clutter”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード (2010年4月5日). 2018年5月30日閲覧。
  21. ^ 四方宏明 (2001年5月30日). “ニューロマだった人達‐Part II Duran Duranリユニオン!(全文)[テクノポップ]”. All About. オールアバウト. 2018年5月30日閲覧。
  22. ^ 宮入恭平、佐藤生実『ライブシーンよ、どこへいく』青弓社、2011年
  23. ^ Amabile 2011, p. 2.
  24. ^ 帆苅智之 (2017年5月17日). “S-KENがN.Yで興ったムーブメントを東京でも創造した日本のニューウェイブの始祖『東京ロッカーズ』”. OKMusic. JAPAN MUSIC NETWORK. 2018年5月30日閲覧。
  25. ^ Alexey Eremenko. Sakanaction|Biography & History - オールミュージック. 2020年4月7日閲覧。

参考文献

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  • ピース・オブ・マウンテン編『ルーツ・オブ・パンク・ロック』シンコー・ミュージック、1989年。ISBN 4-401-61270-1 
  • 佐久間英夫『テクノのススメ』ブルース・インターアクションズ、1999年。ISBN 4-938339-50-1 
  • サイモン・レイノルズ 著、野中モモ・新井崇嗣 訳『ポストパンク・ジェネレーション 1978-1984(en:Rip It Up and Start Again)』シンコーミュージック・エンタテイメント、2010(原著2005年)。ISBN 978-4401634040 
  • Amabile監修、熊谷朋哉・年吉聡太編『80's ROMANCE Music Disc Guide : Extended Version』カラーフィールド、2011年。ISBN 978-4-902199-83-3 
  • 南田勝也著『ロックミュージックの社会学』〈青弓社ライブラリー〉青弓社、2001年。ISBN 978-4-7872-3190-1
  • 小野島大監修『UKニュー・ウェイヴ』シンコー・ミュージック、2003年。ISBN 4-401-61800-9
  • 桑原茂一著『よりぬきスネークマンショー「これ、なんですか?」』新潮社、2003年。ISBN 978-4104651016
  • Rockin' f 特別編集/別冊『日本のロック SCENE '84』立東社、1984。
  • 石野卓球/野田努著『テクノボン』宝島社、1994年。ISBN 4-7966-0804-4

関連項目

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外部リンク

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