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丸山 (北海道十勝支庁)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
丸山
画像募集中
標高 1,692.1 m
所在地 日本の旗 日本
北海道上川郡新得町河東郡上士幌町
位置 北緯43度25分2.8秒 東経143度1分51.5秒 / 北緯43.417444度 東経143.030972度 / 43.417444; 143.030972座標: 北緯43度25分2.8秒 東経143度1分51.5秒 / 北緯43.417444度 東経143.030972度 / 43.417444; 143.030972
山系 ニペソツ火山群[1]
最新噴火 1898年12月3日から(3日間)[1]
丸山 (北海道十勝支庁)の位置(北海道内)
丸山 (北海道十勝支庁)
丸山 (北海道十勝支庁) (北海道)
丸山 (北海道十勝支庁)の位置(日本内)
丸山 (北海道十勝支庁)
丸山 (北海道十勝支庁) (日本)
プロジェクト 山
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ニペソツ山周辺の地形図

丸山(まるやま)は、北海道新得町上士幌町にまたがる第四紀火山である。標高は1,692.1m。活火山に指定されている。1990年代まで火山の存在自体が知られていなかった。

特徴

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直径2.5㎞、比高約600mの小型火山で[2]、主山体は安山岩デイサイト[2]。10万年前以降に活動し、最新の噴火は1898年12月3日からの水蒸気噴火[3]、これにより第1火口を形成した[2]

安山岩を主体とする溶岩流の噴出で丸山の山体を形成、その後、山頂から北西方向の火口列にかけ3-4個の溶岩円頂丘が貫入し[4]、裂目火口の形成は新しく、数1,000年-100年前に爆裂火口を開く活動が頻発したと考えられている[4]。1898年以前の噴出物は、他の火山を起源とする火山灰に覆われており、その順序から1694年より前の活動に伴うものである[2]

爆裂火口列は山頂から北西方向に伸びている。第3火口にわずかな噴気活動が認められる程度で[2]、火山活動は静穏である[2]

北海道には数か所にしかない噴泉塔群(炭酸カルシウムが沈殿してドーム状に固まった石灰華)がある[5]。山腹の五ノ沢1,020m地点には1年間に7cm成長すると言われている噴泉塔がある。

研究

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丸山は研究者の間では活動的な火山であるとは認識されていなかったが[6]、登山者の間などでは、以前からこの山に火口や噴気活動があることは知られていた[6]。研究者が注目しだしたのは十勝岳での噴火(1988-1989年)と同時期に始まった群発地震活動からであった[6]

これを機に、1989年7月に第1回目の山頂部の爆裂火口周辺部の調査が実施され[6]、科学的手法の他、郷土史研究家による明治時代の古記録の調査で、「北海道殖民状況報文十勝国之部」に記述が発見され、最新の噴火が1898年であることが推定された[4]。1991年8月には第2回目の現地調査が実施され、火山噴火予知連絡会は1991年2月1日に丸山を活火山と認定した[6]

登山

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整備された登山道は無い。五ノ沢を遡行するコースと六ノ沢を遡行するコースが一般的。

脚注

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  1. ^ a b 出典: 丸山 - 気象庁、2017年4月閲覧
  2. ^ a b c d e f 気象庁.
  3. ^ 出典: 日本の火山 ニペソツ・丸山火山群 - 産業技術総合研究所 地質調査総合センター、2017年4月閲覧
  4. ^ a b c 近堂祐弘ら(1989).
  5. ^ かみしほろ旅図鑑 上士幌町、2022年11月29日閲覧。
  6. ^ a b c d e 高橋ら(1996).

参考文献

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  • 高橋浩晃, 笠原稔, 一柳昌義, 本谷義信「十勝丸山火山付近での群発地震活動とGPSによる地殻変動観測」『北海道大学地球物理学研究報告』第59号、北海道大学理学部地球物理学教室、1996年3月、163-176頁、doi:10.14943/gbhu.59.163ISSN 0439-3503NAID 120000960432 
  • 近堂祐弘, 岡久保幸, 小柳敏郎, 河内晋平, 中川光弘, 鈴木貞臣, 長谷川榮, 山之内統, 川辺百樹, 岸功志「6P. 東大雪山系丸山火山の最新の活動(日本火山学会1989年秋季大会)」『火山.第2集』第34巻第4号、日本火山学会、1989年、360-361頁、doi:10.18940/kazanc.34.4_360_2NAID 110002996295 
  • 丸山 有史以降の火山活動, 気象庁, https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/sapporo/106_Maruyama/106_history.html 

外部リンク

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