魏鳳和
魏鳳和 | |
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生年月日 | 1954年2月(70歳) |
出生地 | 中華人民共和国 山東省聊城市茌平県温陳郷 |
出身校 | 第二砲兵指揮学院 |
所属政党 | 中国共産党(1972年 - 2024年) |
内閣 | 李克強内閣 |
在任期間 | 2018年3月19日 - 2023年3月11日 |
軍事委員会主席 | 習近平 |
魏鳳和 | |
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職業: | 軍人 |
各種表記 | |
繁体字: | 魏鳳和 |
簡体字: | 魏凤和 |
拼音: | Wèi Fènghé |
和名表記: | ぎ ほうか |
発音転記: | ウェイ フォンホー |
魏鳳和(ぎ ほうか、英語: Wei Fenghe、ウェイ・フォンホー、1954年2月 - )は、中華人民共和国の政治家、軍人。中国人民解放軍副総参謀長、第二砲兵部隊司令員、ロケット軍司令員を歴任した。党中央委員会委員、党中央軍事委員会委員、国家中央軍事委員会委員、国防部長を務めた。最終階級は上将。
経歴
[編集]1954年2月に山東省聊城市茌平県温陳郷に誕生する。1968年9月に中国人民解放軍に入隊し、第二砲兵指揮学院で学ぶ。2001年、第二砲兵部隊第54基地参謀長に任命。2002年1月、総装備部副部長に任命される。2002年12月、第二砲兵部隊第53基地司令員に任命。2003年、少将に昇格。2005年、第二砲兵部隊副参謀長となり、2006年に第二砲兵部隊参謀長に任命される。
2007年10月21日に第17回党大会において党中央委員会候補委員に選出される[1]。2008年に中将に昇格した。
2010年12月に副総参謀長に栄転となる。戦略ミサイル部隊を扱う第二砲兵部隊からの副総参謀長就任は前例ない事であった[2]。
2012年10月に第二砲兵部隊司令員に任命。11月14日に第18回党大会において党中央委員に選出され[3]、翌11月15日の共産党第18期1中全会において党中央軍事委員会委員に選出された[4]。11月23日、上将に昇格[5]。2013年3月15日、第12期全国人民代表大会第1回会議において中華人民共和国中央軍事委員会委員に選出された[6]。
2015年12月31日に第二砲兵部隊が改編されてロケット軍が新設されると、引き続きロケット軍司令員に任命された[7][8]。
2017年9月にロケット軍司令員職を副司令員の周亜寧と交代した[9][10]。2018年3月18日、第13期全国人民代表大会第1回会議において国家中央軍事委員会委員に再選[11]。翌3月19日に同会議において国務委員兼国防部長に任命された[12]。
2018年6月に国防部長では8年ぶりにアジア安全保障会議に出席し、米中貿易戦争に関して「アメリカが対話を望むならドアは開いている。アメリカが戦いたいなら戦う用意は出来ている」と演説した[13][14]。なお、台湾が独立すれば「全犠牲を払っても戦争も厭わない」とも述べた[15]。また、六四天安門事件にも「騒乱を治めるために正しい対応をした。中国は安定と発展を享受している」と異例の言及を行った[16]。同年9月、中国とモンゴルが初参加した冷戦後最大の軍事演習「ボストーク2018」をロシアのプーチン大統領らと視察し[17]、ロシアのショイグ国防相との会談で定期的に中国とロシアは同様の演習を実施することで一致した[17]。
2022年6月10日、アジア安全保障会議に出席するため訪問していたシンガポールで、アメリカのロイド・オースティン国防長官と初の会談を行ったが、台湾問題などで双方が意見を主張し合い平行線をたどった[18]。 2日後の12日には記者会見の中で台湾問題に触れ、「(独立を阻止するため)最後の最後まで戦う」と表明した[19]。
2023年3月に退任し、李尚福が後任の国防部長に就任した[20]。退任後は長期に渡って動静が不明となり[21]、2024年2月に行われた共産党指導部が引退した指導者を慰問する恒例行事でも魏鳳和の名前が慰問先リストになかったことで魏鳳和の立場に何らかの異変が起こっていると推測された[22]。しかし同年5月6日に中国中央電視台が報じた共産党幹部の葬儀を報じる会場の映像に、魏鳳和の名前が書かれた花輪が映り込んでいたことで政治的に安全な状況にある可能性も指摘されていた[23]が、同年6月27日の政治局会議で収賄や規律違反の容疑で李尚福とともに党籍剥奪処分が決定した[24]。また、中央軍事委員会は魏と李の軍からの除名と、魏のロケット軍上将、李の陸軍上将の階級取り消しを決めた[25]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ 「中国共産党第十七届中央委員会候補委員名単」『新華網』 2007年10月21日
- ^ https://web.archive.org/web/20110119143449/http://sankei.jp.msn.com/world/news/110112/chn11011200240000-n1.htm
- ^ 「中国共産党第十八届中央委員会委員名単」『新華網』2012年11月14日
- ^ 「中国共産党第十八届中央委員会第一次全体会議公報」『新華網』2012年11月15日
- ^ 「中国ミサイル部隊トップ、上将に昇格」『日本経済新聞』2012年11月24日
- ^ 中華人民共和国全国人民代表大会公告(第四号)
- ^ 「陸軍領導機構火箭軍戦略支援部隊成立大会在京挙行」『人民網』 2016年01月02日
- ^ 「習氏、軍の組織掌握へ布石人事 中国で改革始動」『日本経済新聞』 2016年01月02日
- ^ https://www.asahi.com/articles/ASK9J5DW5K9JUHBI00V.html
- ^ https://www.sankei.com/article/20170917-XB2LDB3N2FOWLMGYTG4TDSYJ6Q/
- ^ http://www.npc.gov.cn/npc/xinwen/2018-03/19/content_2051309.htm
- ^ http://www.npc.gov.cn/npc/xinwen/2018-03/20/content_2051760.htm
- ^ “「米国が戦い望むなら受けて立つ」 貿易問題で中国国防相 アジア安保会議”. AFPBB (2019年6月2日). 2019年6月2日閲覧。
- ^ “中国国防相、米国との貿易協議の扉開いている-摩擦戦う用意”. ブルームバーグ (2019年6月2日). 2019年6月2日閲覧。
- ^ “米との貿易摩擦「戦う準備できている」 中国国防相”. 日本経済新聞 (2019年6月2日). 2019年6月3日閲覧。
- ^ “天安門事件の鎮圧は「正しい」と中国国防相 30周年を前に異例の言及”. BBC (2019年6月2日). 2019年6月3日閲覧。
- ^ a b “ロシア大統領、軍事演習視察 中国国防相らと”. 日本経済新聞 (2018年9月13日). 2019年9月21日閲覧。
- ^ “米国防長官が中国批判、領有権主張で「より威圧的、攻撃的」”. ロイター (2022年6月11日). 2022年6月11日閲覧。
- ^ “台湾独立阻止のため「最後の最後まで戦う」 中国国防相”. afp (2022年6月12日). 2022年6月12日閲覧。
- ^ 『中国新国防相に李尚福氏 武器調達で米国が制裁も、習近平氏は期待?』朝日新聞デジタル、2023年3月13日 。
- ^ 『中国の李尚福・国防相、2週間以上動静途絶える…米政府関係者「解任され調査」』読売新聞オンライン、2023年9月15日 。
- ^ “中国元国防相、指導部の慰問リストに載らず 汚職関与説強まる”. 朝日新聞. (2024年2月8日) 2024年5月26日閲覧。
- ^ “中国元国防相の魏鳳和氏の失脚回避か 香港紙報道、葬儀の花輪に名前”. 産経新聞. (2024年5月9日) 2024年5月26日閲覧。
- ^ “中国、国防相経験者2人の党籍剥奪「重大な違反」 極めて異例”. 毎日新聞. (2024年6月27日) 2024年6月27日閲覧。
- ^ “前国防相らの党籍剥奪 収賄などの疑い、軍からも除名―中国共産党”. 時事通信. (2024年6月27日) 2024年6月29日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集] 中華人民共和国
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中国人民解放軍
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