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朝日新聞朝刊1面のコラム。603文字のスペース、五つの「▼」で区切られた六つの段落で、記事や社説とは異なる視点でニュースと向き合い、世相をきりとる。毎日更新。
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カンジという名前の天才がいた。ゴリラともチンパンジーとも違う類人猿ボノボのオス。1980年に生まれ、米国の研究所で育てられた。言葉の学習をさせられる母親マタタの隣にいるうちに、単語を自然に覚えてしまっ・・・[続きを読む]
2025年04月16日 05時00分
政府軍が立てこもった熊本城に、西郷隆盛ひきいる薩摩軍が総攻撃をかけた。西南戦争である。人数で圧倒する西郷側は押しに押す。そのさまを「銃丸雨の降るが如(ごと)し」と記録は伝えている。だが城はびくともしな・・・[続きを読む]
2025年04月15日 05時00分
岡本太郎は、四つの小学校を転々とした。教師たちの威張った態度や、ごまかしに反発したからだ。孤独だったという。そんな自分にも悩んだ。ある日のこと、岡本少年は寄宿舎でひとり座っていて、気づいたという▼ゆが・・・[続きを読む]
2025年04月14日 05時00分
人間がどんなに愚かであっても、いかに自分らの都合で自然に手を加えようとも、それでも「春はやっぱり春であった」。ロシアの文豪トルストイは名著『復活』を、そう書き始めている。もの思う春かな。入学式の言葉か・・・[続きを読む]
2025年04月13日 05時00分
大変な時代になった。トランプ米大統領が放つ数字は、コロコロと変わる。日本に課せられた24%の関税は、13時間後に10%へ下げられた。中国への追加関税の合計は125%と発表されたが、やっぱり145%だっ・・・[続きを読む]
2025年04月12日 05時00分
日本語が堪能な豪州の学者から「桜吹雪」という言葉の魅力を熱く語られたことがある。いわく、乱れ散る花びらが詩的に表現され、音の響きも美しい。春の花を雪に例えることが疑問だったが、実際に見たらその通りだっ・・・[続きを読む]
2025年04月11日 05時00分
何を食べているかでその人物がわかると言ったのは、フランスの美食家だった。まねをするわけではないが、「どの映画が好きか」を知るのは人物像を理解する上で参考になると思う。ただ、トランプ米大統領の場合は逆に・・・[続きを読む]
2025年04月10日 05時00分
もっと、もっと大きな声で。NHKの前身にあたる放送局がラジオ放送を始めたのは100年前だ。初期のアナウンサーはとにかく大声を出すようにと注意されたという。当時のマイクは湿気を吸うと感度が鈍くなるため、・・・[続きを読む]
2025年04月09日 05時00分
「この世の関節がはずれてしまった」は、シェークスピアの悲劇『ハムレット』の有名なせりふである(松岡和子訳)。王だった父の亡霊にハムレットが会い、その死の真相を知る場面だ。社会を身体にたとえ、「秩序が崩・・・[続きを読む]
2025年04月08日 05時00分
「森は海の恋人」。この魅力的なフレーズほど、畠山重篤(はたけやましげあつ)さんの活動を見事に示すものはない。宮城県でカキを養殖する漁師でありながら、45歳で植樹を始めた。カキを育む海の養分は川がもたら・・・[続きを読む]
2025年04月07日 05時00分
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