コンテンツにスキップ

那智原始林

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

那智原始林(なちげんしりん)は、和歌山県那智勝浦町那智山中にあり、那智滝の東に広がる原始林熊野那智大社の社有林で、1928年昭和3年)3月3日、国の天然記念物に指定された[1]。面積は約33.5haユネスコ世界遺産紀伊山地の霊場と参詣道』(2004年〈平成16年〉7月登録)の一部[2]

概要

[編集]
那智原始林の位置(和歌山県内)
那智原始林
那智原始林
那智原始林の位置

イスノキシイウラジロガシなど、暖地性の広葉樹を中心に温帯性広葉樹や針葉樹もあり、本州屈指の混交林となっている。群生する植物は155種、または300種以上ともいわれ、ナゴランキイセンニンソウなど12種の希少な植物もある。シダ植物つる植物など、林床植物の多いことでも古くから知られてきた。近年も新たな植物が発見され、直径5m近いホルトノキの大木などもある。

当原始林においては、1901年10月末から1904年10月6日間の期間において、南方熊楠が標本採取を行った事でも知られている[3]

[編集]
  1. ^ 那智原始林”. 国指定文化財等データベース. 2011年1月18日閲覧。
  2. ^ 世界遺産登録推進三県協議会(三重県・奈良県・和歌山県)、2005、『世界遺産 紀伊山地の霊場と参詣道』、世界遺産登録推進三県協議会、pp.39,75
  3. ^ 那智時代”. 南方熊楠記念館. 2021年5月4日閲覧。

文献

[編集]

参考文献

[編集]
  • 世界遺産登録推進三県協議会(三重県・奈良県・和歌山県)、2005、『世界遺産 紀伊山地の霊場と参詣道』、世界遺産登録推進三県協議会

関連文献

[編集]
  • 中村 直勝・高橋 城司・白井 光太郎・佐藤 虎雄、1972、『史上の熊野三山、那智山、那智山原始林、南海の仏蹟』、熊野那智大社〈那智叢書 19〉 → 朝日 芳英(監修)、2008、『朝日芳英監修』復刻版、pp.652-679

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]

座標: 北緯33度40分34秒 東経135度53分37秒 / 北緯33.67611度 東経135.89361度 / 33.67611; 135.89361